平 尾ところで、先ほどのテニスのサービスの話で、一つ思い出したことがあります。実はバレーボールでも使う「サービス」という言葉の語源は「奉仕」という言葉からきているという説があるのです。だから、サービスというのは相手が打ちやすいボールを放るという意味であって、サーブ権を持った人間が有利になってはいけない。そこには、公平平等のルールの原則が働いているので、相手に打ちやすいボールを委ねるのがサービスであるというわけです。

佐 野もう一つ言われているのは、昔、テニスは貴族のスポーツで、常にそばにはサーバントがいて、彼がいつもボールを出すので、そこからきているという説もあます。このように、いろいろな言い方があるのですが、僕自身は相手にとって打ちやすいボールを放るという説でいった方が面白いと思っています。もともと、ネット型のスポーツの面白さというのはラリーが続くところにあるわけですから。そういう意味では、今は見ているとテニスもバレーボールもものすごく早くゲームが終わる印象がある。それは、サーブする側が圧倒的に有利に立っているところからきているように思いますね。

平 尾確かにテニスでも、今はサービスゲームが全部勝っているという試合が多いですからね。

佐 野それでは、ゲームの面白みがないのではないかということなのですが、ただ、同じネット型でもラリーを面白くするために、ある種の制限をしているスポーツもあります。それがバドミントンです。バトミントンはネットが高いこと、サーブはアンダーハンドでしか打ってはいけないという要因があって、ラリーを保つことが非常に可能になっている。 しかも、それをルールできちんと制限させているというのは、ネット型のスポーツの面白さを確保しているという意味で、注目に値すると思います。つまり、それが一つの権利になっているわけですから、我々もそういうものにもう一度立ち返ってみる必要があるように思いますね。

平 尾特に今のスポーツには、それが求められているかもしれませんね。

<<つづく>>

 
 
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