平 尾吉原さんは海外でのプレーの経験がありますよね。そして、確か、現在の所属チームは監督が外国人でしたよね。。

吉 原はい、そうです。95年にイタリアのセリエAでプレーをしていますし、現在所属しているパイオニア・レッドウィングスの監督も外国(イスラエル)人ですね。

平 尾日本人の監督と外国人の監督とでは、選手への対応が違いますか?

吉 原
違いますね。個人差もありますが、おしなべて言うと、日本の監督というのは選手とのコミュニケーションが少ないと感じます。もっと選手と話をすべきではないかと。ただ、その時に大切なのが、対等というか、同じ目線で話すことだと思います。
 先ほどおっしゃっていたように、一昔前まで日本の監督は「俺について来い!」というタイプが多くて、「お前は選手なんだから、よけいなことを言うな」といった意識があったと思うんです。でも、今は選手をひとりの人間として認めて話を聞いてあげないと。

平 尾なるほど。その点、外国人監督は選手とコミュニケーションをとるのが上手なんですね。

吉 原そうですね。たとえばチームを作る上でも、「こうしたいけれども、君たちはどう思う」と、必ず選手の意見を聞きます。つまり、「やるのは君たちだから」ということなんです。しかも、ベテランの選手であろうと、どんなに若い選手であろうと、ひとりの選手として対等に扱っているから、若手にも自分の意見を言わせます。そういう環境だから、若い選手でも「ああ、自分もこのチームの選手として見てもらえている」と感じられるんです。

平 尾自分の存在価値が、感じ取れるわけですね。それは、非常に大事なことだと思います。今の日本は、カリスマ的リーダーがグイグイ引っ張っていく組織から、みんなの意見を聞きながら方向性を決める組織へと変わる過渡期なんだと思います。これは、競技チームだけでなく、企業などの組織についても言えることだと思います。
 競技チームで言えば、監督やコーチは選手を指導する立場にあるわけですが、そのとき、たとえばバレーボールのポジション取りにしても、「ここに立て」と言うだけではなく「なぜここに立つのか」ということを説明してあげることが必要なんです。それによって選手が「なるほど」と思う。すると、彼らも動くんです。

吉 原そうですね。「どうして」「何のために」ということが理解できないと、今の選手はなかなか動きませんね。

平 尾それさえできれば、根性主義でもかまわないと思います。「根性にはこういう力があって、こういう部分で技術を超えるんだ」という説明ができて、選手が納得すればいいわけですから。そのために「根性をつけるために、明日から300段の階段でウサギ跳びだ!」ということもあるかもしれない(笑)。でも、そういう納得をさせずに、監督自身の体験をもとに選手にひたすら厳しい練習をさせるというのは、監督の情報が非常に貧しいことの現れだと思います。それでは、選手はついてこないでしょうね。

<<つづく>>

 

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