平 尾それと、もう一つ僕が懸念しているのは、ラグビーというのはまだまだマーケットが小さいということ。それを大きくしていくのもトップリーグに課せたられた使命だということを、もっとチームも選手も認識する必要がある。

元 木はい、そうですね。

平 尾よくマスコミは、トップリーグというとプロ野球やJリーグとして比較して論じるけど、僕に言わせるとまったくナンセンスな話でね。以前に僕もラグビーをJリーグと較べたことがあって、経済面としての価値も含めた比較でいうと、確か何十分の一だった。つまり、サッカーに1億円の価値があるとすれば、ラグビーは1000万円以下、500万円ぐらいかもっと小さいかもしれない。それほど、日本のラグビー界は小さくなってしまった。だから、それを比較して“悲観論”を論じ合っても仕方がない。マスコミを含めて今、やらなければいけないのは、小さくなったマーケットをいかに大きくしていくか。その視点を論じ合うことであって、そこから入って今後の課題を語り合うべきだと思う。

元 木そうですね。僕らも協会やリーグ任せでなく、各チームが自助努力しながらファンを増やしていくことをしなければいけないと思います。

平 尾それで選手は、そのマーケットの中で挙がったものの中から、自分たちのプレーの対価を得ていく。そういう発想に持っていかないとね。みんな腹ペコだからといって、ラグビーという小さなお菓子を争って食べたところで、所詮、小さなお菓子なんだから、誰もお腹なんか膨れないよ(苦笑)。それよりも、今はこれだけで我慢して、マーケットという生地を大きく育てて、みんなで大きなお菓子にしにしよう。そういうコンセンサスを持って、関わっている人間、すべてが取り組んでいかないとね。選手も、企業も、チームも、協会ももちろんのこと、マスコミも悲観論の上に立ってばかりいないで、こうすればトップリーグは成功するんだという視点もきちんと論じて欲しい。そうでないと、自分たちのマーケットもまた小さくなるのだから。

元 木そうですね。

平 尾要は明治の変革期のように、ラグビーという世界が流動している時期だから、それをどう育てて行くか。関わっている人間みんなが、その認識を持たなければいけない。そこにトップリーグの成功はかかっていると思う。

<<つづく>>

 

 
 
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