『フットボール・コーチングセミナー』開催レポート

3種クリニックで子供たちがフットボールの楽しさ体験
パネルディスカッション
『コーチング』をテーマにトップコーチが持論を展開

□3種クリニックで子供たちがフットボールの楽しさ体験
6月27日、神戸ウィングスタジアムにて『フットボール・コーチングセミナー』が行われた。 ラグビー、アメリカンフットボール、サッカーという3種類のフットボール・クリニックを 30分ずつ順々に受け、一線で活躍する選手やコーチが指導にあたった。 参加した小学生は90人。地元のラグビーチームやサッカーチームなどからも子どもたちが 集まった。6月下旬にしては高い気温と、午前中に降った雨が相まって、屋根が閉められた ウィングスタジアムはかなり蒸していた。 ラグビーは、ボールを使った2〜3人組のパス回しと、ゲーム形式の2つのグループに分かれ て行われた。楕円形の、大人が使うものより少し小さいボールではあったが、子どもたちが 抱えると非常に大きく見えた。ラグビーボール特有の予期せぬ弾みに少々苦戦しながらも、 コーチ陣が扮するディフェンスを元気にすり抜けていた。 アメリカンフットボールは、関西学院大学のアメリカンフットボール部と女子タッチフット 部の選手が指導にあたった。ばらばらに散っていた選手・子どもたちが、“ハドル”という 号令で“ウォー!!”と声を出しながら素早く集まる動きでは、初めは大きな声を出すのに 躊躇していた子どもたちも、次第にそのボリュームが上がっていった。エリアを決めての しっぽ取りゲーム、ボールのもち方、投げ方。基本を教えている時から指導者の大学生が 盛んに子どもたちに声をかけていた。うまくできた子にはもちろん、走りながらパスを受け 取るクリニックでは、プレーを終えて戻ってくる子どもたち全員とハイタッチを交わしていた。 サッカーでは、ヴィッセル神戸のコーチングスタッフが指導した。集合・整列からグループ に分かれてのパス回しまで、最下位になった子どもたちには“ジャンプ何回”というかわいい ペナルティが課せられる、めりはりのあるクリニックとなった。フル代表でも最近問題視され ている、『コミュニケーション』を強く意識し、パスを出す時に大きな声で相手の名前を呼ぶ ことを徹底させていた。「今やっている4〜5。の距離でも聞こえない。これで(パスを出す) 相手がもっと離れていたら?大観衆の声援があったら?聞こえる?」。最後に、コーチ自ら ロングパスやインフロントキックの実演を披露。間近で目にしたその飛距離と力強さ、迫力は 深く心に焼きついたに違いない。 クリニック終了後、お土産にアメフトのミニボールを手渡された子どもたちからは、 「暑かったけど、楽しかった!」という声が聞かれた。指導者からは「終わるころになって、 やっと打ち解けてきましたね。思っていた以上に楽しかったです。」とお互いに非常に充実 したクリニックとなった。

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