第2回近畿地区「女子セブンズブロックアカデミー」練習会
日時:2011年7月31日(日)16:30〜18:30
場所:神戸製鋼灘浜グラウンド人工芝
1.走り方講習会 講師:井上悟氏 元100m、200m日本記録保持者、現近畿大学陸上部コーチ
今回は、元100m、200m日本記録保持者・井上悟氏(現近畿大学陸上部コーチ)をお招きし、より速く走れる走り方の指導をしていただきました。
井上氏は、「体の使い方ひとつで速くなれることを理解して欲しい」と挨拶し、練習が始まると、その言葉どおり細かい体の使い方を指導されました。
外国人と比べて絶対的に不利である短い日本人の脚を、どう効率よく使うかがポイントなのだといっていました。具体的にはまず立ち方です。かかとをつけて立ち、つま先は拳ひとつ分開ける。これが、日本人にとって一番足が長くなる立ち方だそうです。その状態でゆっくり歩くことから練習を開始しました。腕を大きく振って、次に肘を曲げず真っ直ぐな状態で振り、腕の力で体を引き上げるように歩くよう指示が出されました。速く走ろうとするとき、足を速く動かそうとするのではなく、上半身を使って速くするのが速く走るコツであり、それを掴むための基本的動作となります。次に、お尻からを一本の足と思えば股下より長くなるという理屈から、お尻の筋肉を使えるよう、お尻歩きの練習が行われました。同様に、腰から前に出せば、お尻から走るより更に足が長くなる、ということで、骨盤を捻って飛びながら前に進む練習が行われました。つま先を捻ってもいいということでしたが、下半身を捻りながら前へ進んでいくのは、見ているよりずっと難しい様子でした。更に次には、膝を伸ばしたまま左右の足を前に跳ね上げるようにして進んでいくという難易度の高い動作に移りました。上げた方のお尻(腰)を前に出す、ということでしたが、普段使っていない筋肉を使うので、見た目よりもずっときつい練習のようでした。最後に、これらのことを意識しながらスキップ、大きく腕を振っての大股ジャンプを行い、軽いランニング、短い距離のダッシュを行って練習終了となりました。
体全体をどう使っていかに速く走るか。今後のアカデミー練習会においても、ぜひ意識して取り組んでいって頂きたいと思います。
2.スキル練習
約1時間の走り方講習の後は、SCIXラグビークラブ今村コーチ指導のもと、ボールを使っての実践形式の練習をしました。
アタック対ヂフェンスを1対1、2対1、2対2とし、ディフェンスは動かないというルールで行いました。ディフェンスを動かさないのは、この日の練習課題である、「ボールを持ったらパスではなく何かを仕掛け相手を抜いていく」ということをより意識して取り組んでもらうためです。また、抜いた後もスピードを落とさない、ディフェンスが追いかけてくることを想定して、抜いた後は真っ直ぐ走るなど、細かな指示が出されました。
2対1、2対2のときはパスの選択肢もありますが、ディフェンスがいるからパスというのではなく、ディフェンスをまず抜く(かわす)ことを考え、それでタッチされるか、されないかの瞬間にサポート側が声を出して次のプレーを先導してあげることが重要と指導されました。
これらのことを意識して7分ハーフのタッチフットボールを行い、練習終了となりました。
ラグビーにとってパスは大切ですが、未経験者も多いアカデミーでは、パスを回していくのは困難で、後ろにどんどん下がっていってしまう可能性があります。そこでまずボールを持ったら前に出る、仕掛けてスペースを自分で作ることを意識して練習していくようにと、今村コーチはお話されていました。