S C I X今、ラグビーファンもチームを見ることから、ゲームを見ることにマインド・チェンジが必要だというお話がありましたが、そのためにはスポーツ・マスコミのきちんとした評価ということも重要になってくると思います。特にラグビーの場合は、ゲーム評価という視点が遅れていると思います。

平 尾ええ。だから、チームの評価からゲームの評価に変えていくというということが必要だろうし、そういうものを各チームが努力して、いいゲームを構築していく必要があると思います。そうなると、レフリングの問題も出てくるだろうし、運営の問題も出てくる。それらを、みんなで考えながら、「ゲーム評価」という新しい方向へ導いていかなければいけない。いつまでも「オラがチームが勝ったのだから、それでいい」というだけではラグビーの新しい発展はない。そうではなくて、「このトップリーグを成功させるためにどうしたらいいか、チームの立場を越えて、一度みんなで考えてみましょう」ということです。「本当にこれを成功させるために、どんなストーリーが必要なのか」と。そのストーリーを達成するために、「じゃ、我々はどうしましょうか」ということに置き換えて、変えていく。その時、自分たちの立場はあってもいいと思いますが、まず、絵がないと、なかなかこれは難しいのではという気がします。企画そのものはいいと思いますし、日本ラグビーの強化そのものを考える上でも、僕自身もこういうことやりたかった話ですから、それが現実になったということは、大変いいことだとは思いますが、そのためにはゲーム評価というきちんとした視点は、我々もファンも忘れてはいけないと思いますね。

 

S C I X最後に1999年のワールドカップ「ウェールズ大会」に、お二人が日本代表を率いて挑まれたから、ちょうど4年が経ちます。今年は第5回大会がオーストラリアで10月に開催されますが、ワールドカップについては何か感慨のようなようなものはお持ちですか。あるいは、2007年の開催地については、イングランドかフランスでの開催案が検討されていますが。
(※日本協会の真下専務理事は、先ごろ2011年以降に日本に誘致する構想案があることを表明している)

平 尾日本開催については、ぜひ一度やって欲しいと思いますね。今は一ファンの立場ですが、可能ならばぜひ開催して欲しいと思います。

S C I X昨年のサッカーワールドカップでスタジアムはたくさん出来ましたからね。

平 尾そう、サッカーのスタジアムをうまく利用してね。

土 田何よりも本物を知るということは、大事ですからね。

平 尾それはファン拡大においても、非常に重要なことでね。いい質のものを見てもらうということ。タイミング的には2007年くらいが、ちょうどいい気もするのですが、その次という案もあると思います。トップリーグも開催されて、ちょうど定着もしていることだし、強化もそれなりに進んでいるでしょうしね。あとは協会が根性決めて、「よ−しっ!」と手を挙げるかどうかでしょうね(笑)。それで決るかどうかは別にして、そういうところから始めないといけないなと思いますね。

S C I Xトップリーグを立ち上げて4年ないし8年。タイミング的には申し分ないと思いますが。

平 尾そうそう、目標を設定しやすいしね。いろいろなものがそこで、「これを成功させるためには、こうしていかなければいけない」ということが具体的になってくるからね。一つのいい目安になってくると思いますよ。

 

 
 
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