平 尾ところで、中垣内さんは最初からバレーボールだったんですか?

中垣内バレーボールを始めたのは中学生になってからですね。ただ、いい加減にやっていました。高校時代もバレー部でしたが、夏休みも冬休みも毎日練習をするというようなハードな部活ではありませんでした。そのかわり、勉強をいっぱいさせられるような学校だったんですが、途中で勉強が嫌いになってバレーボールで大学に行こうと思って頑張ったんです(笑)。

平 尾筑波大でしたよね?

中垣内はい。

平 尾じゃあ、本格的にバレーボールの指導を受けたのは、大学に行ってから?

中垣内そうですね。バレーボールを知っている指導者に教えてもらったのは、大学に行ってからです。

平 尾中学、高校時代は専門の指導者に教えてもらわなかったということですが、現在の中、高での指導というのはどうなんでしょう。

中垣内どうなのかな……。ただ、バレー部が減少している理由のひとつには、熱心な指導者が少なくなっているということがあると思います。バレーボールというのは、中学に入ったときに「バレーやります」と集まってくるようなスポーツではないんです。そういう意味では、マイナースポーツです。でも、熱心な指導者たちは「お前、バレー部に入れ」とむりやり勧誘してバレーボールというスポーツに触れさせ、競技のおもしろさを伝えていた。そういうことが積み重なっていって、バレーボールの競技人口も保たれていたと思うんです。昔はそういう熱心な先生が、小学校にも中学、高校にもたくさんいた。ところが、今は少なくなってしまっているのではないでしょうか。

平 尾そうですね。私もそう思います。

中垣内公立の学校は、先生が部活動の指導に力を注いでも、なかなか評価されにくい。いくら、時間を費やして熱心に指導しても、やらない先生と何ら変わらないことが多い。そういう状況だから、学校教育のなかでのスポーツに関しては、指導者の方が音を上げてしまったのではないでしょうか。真の指導者がいなくなってきている。それが、競技人口を減らしている原因でもあると思います。

平 尾おっしゃるとおりですね。

 

 
 
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