SCIXコーチインタビュー【第四弾】RYO OISHI
2006年4月、神戸製鋼コベルコスティーラーズに入部し、2年目のシーズンにトップリーグ9試合に出場し活躍。以来、力強いタックルと思い切りの良い走りを武器に、公式戦27試合出場を果たした。2011―2012シーズンをもって現役を引退した大石嶺氏が、今年8月より「SCIXラグビークラブ」のコーチに就任。現役時代はラグビー理解度の高さからBKリーダーに抜擢され、2年間、BK陣をまとめるなど、求心力とクレバーさを合わせ持つ彼が、新人コーチとして一歩を踏み出した。
本格的に指導をするのは、初めてのこと。 楽しみ半分、不安半分です(笑)

──大石コーチは、これまでに指導者としての経験はあるのでしょうか。

oishi大石:コベルコスティーラーズに所属していた時に、よくラグビースクールの子どもたちを指導する機会がありました。また毎年夏に菅平で開催される「コベルコカップ」で高校生を教えたこともあります。ただ1年を通して本格的に指導に当たるのは、はじめてのことですので、楽しみ半分、不安半分です(笑)。

──「SCIXラグビークラブ」のコーチに就任し、約1ヶ月が経ちましたが(取材は9月13日)、中高生や女子の指導にあたった感想をお聞かせください。

大石:まず中高生の指導に関してですが、SCIXは、いろいろな学校から集まってきた部員で構成され、練習も週2回と、これまで僕が経験してきた環境とはまったく異なります。僕は高校時代、花園優勝を目指して毎日練習をしてきた訳ですが、SCIXはそうではありません。その中でどうやって、皆のモチベーションを維持し続け、上達できるような練習をすればいいのか、非常に悩みましたね。僕が高校時代に経験したような厳しい練習をそのままSCIXでやると、皆、ラグビーを嫌いになってしまうと思いますから(笑)。またラグビーが上手くなるには基礎を身につけないといけないのですが、基礎を身につけるためには、反復練習をするのが一番です。SCIXの週2回の練習で、それをすべてに当てはめることができるのかと言えば、他にもやることがありますし、基礎ばかりだとイヤになってしまいますから。いろいろと模索しながら、練習メニューから考えてやっていっています。それから女子の指導については、まったく初めての経験なので、戸惑うことばかりです。男子は、高校生のトップレベルがどれくらいの強さ、上手さなのかを理解していますが、女子に関しては、僕自身、勉強不足でして(苦笑)、正直、トップレベルのコンタクトがどれくらい強いのか、どれくらいのスキルの高さなのかが分からなくて。武藤(則夫)コーチ、今村(順一)コーチをはじめ、ほかのコーチが教えているのを見て、1から勉強していっている状態です。2016年からラグビー7人制がオリンピック正式種目になり、女子ラグビーの注目度が上がってきていますし、7人制、15人制ともに、僕自身、もっと女子ラグビーの知識を増やして、指導に還元していきたいです。

──「SCIX近畿セブンズブロックアカデミー」では「神戸からオリンピックへ」をスローガンに掲げ、練習に取り組んでいます。彼女たちを指導し、どのようなことを感じましたか?

大石:皆、すごくやる気がありますね。それをどうやってレベルアップに結びつけていくか。
ただ厳しいことを言うと、オリンピックを目指すには、スキル、フィットネス、パワーをはじめ、すべてにおいてまだまだ足りないと思います。実際、プレーしている彼女たちも、どのレベルが関西代表なのか、日本代表なのかを知らないと思うんです。それを肌で感じてもらえるような機会を作るべきだと思いますし、僕自身も勉強して、それを練習から彼女たちに伝えられるようにしていきたいですね。

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