第2回 SCIX・レフリーアカデミー講習会
日時:2011年9月25日(土)12:00〜17:00
場所:SCIXクラブハウス・神戸製鋼灘浜グラウンド人工芝
講師:関西ラグビー審判委員長太田始氏
レフリー:B級レフリー坂平誠氏

講義内容
1.ラグビー憲章とレフリング
2. 競技規則の解説
3. 測定・近畿チャレンリーグの観戦と解説
4. レフリング検証(坂平レフリー)

1.ラグビー憲章とレフリング
ラグビー憲章で歌われているラグビーの目的を達成するためには、2つの基本原則があり1つは「ボールの争奪」であり、もう1つは「プレーの継続」である。このラグビー憲章をよく理解していることで的確なレフリングを行うことができることやレフリングの原則は「安全を最優先」すること「公平」に競技規則を適用することなどアカデミー生にわかりやすく講義がありました。このようなことを達成するにはラグビーという競技の特殊性・レフリーをする上での心構えや、ハイレベルなレフリーを目指す上でルールブックを精読、熟知する事の重要性、特に各項目の「定義」を理解する事が非常に大切です。ルールブックを読みしっかり理解・精通しているからこそプレーヤーに信頼され、ゲームを進行していく上で大きな助けにもなります。
笛の吹き方の説明もありました。笛を吹いた後に直ぐに舌で笛の先を押さえる事で「ピッ!」とだらけない笛になるので練習する事も必要であると説明がありました。

2. 競技規則の解説
特に太田氏よりいわれていたことは競技規則の定義を何度も読み理解をすることであり、レフリングに迷った時は「定義を読み返す」とよいなどのアドバイスや基本的な内容の講義がありました。また、一方的に話されるのではなく、講義中にアカデミー生にアドバンテージが適用されない場合やタックルが成立した際にタックルした側とされた側が行わなければならない事などの質問を行い、アカデミー生がどの程度競技規則を理解しているかチェックを行いながら進められていました。

 

3. 測定・近畿チャレンジリーグの観戦と解説
その後はグラウンドに出て「マルチステージフィットネステスト」の測定を行いました。
B級資格取得には「マルチステージフィットネステスト」レベル9以上が必須条件であり、A・A1級レフリーの平均はレベル12と高い。フィットネスを向上、維持する事はトップレフリーを目指すためには大変重要になります。質の高いレフリングが質の高い試合を生むことは間違いありません。
試合講義は実際に人工芝グラウンドで行われた試合を観戦しながら太田氏がレフリーの立ち位置、ジェスチャー、笛の音色などの解説を行いました。特にジェスチャーは選手や観客にどのような反則があったかを分かりやすく知らせる重要なポイントであり、大きく、ゆっくりした動作で行うなど実際の試合で役立つような講義がありました。
レフリーが、いかに選手に反則をさせないためにゲームをコントロールしているかがわかります。例えば、セットプレイの際にキャプテンに対して反則をしないよう注意を与えるなどコミュニケーションを図っています。観客にとって魅力ある試合を作り上げて行くには選手だけでなくレフリーの努力も必要なのだと実感しました。

 

4. レフリング検証
この講義では近畿チャレンジリーグの笛を吹かれた坂平B級レフリーが参加いただき、試合観戦で疑問に思ったことや、レフリーを行う上での疑問などをアカデミー生が質問し坂平レフリーに答えていただきました。
先ずは、両チームの特徴をウォーミングアップ時にどのようなチームか理解した上で試合を吹くことの重要性や、両チームのレベルに応じてモールやラックでの立ち位置や走るコースなどを変えられたり試合中に選手が反則しないようにコミュニケーションを取られたりしたそうです。次にアカデミー生より質問を受け付け坂平レフリーがお答えいただくといったフリーディスカッションの時間を設けました。坂平レフリーには試合直後にもかかわらず、丁寧に質問に応答していただきアカデミー生にとっても非常に役立つ中身の濃い内容になりました。

最後に太田氏から次回に向けてルールブックを精読することやフィットネスの向上を行うようアカデミー生に指示がありました。



 
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